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スタートアップ企業の待遇

1. 大企業からスタートアップ企業へ転職すると給与はどうなるのか?

大企業で働いている人にとっては、スタートアップ企業へ転職するにあたり、一番気になるポイントだと思います。確かに、一般的には下がる傾向にあります。私については年収だけで言うと、転職前の6割くらいになっています。4割も給与が下がるならスタートアップ企業では働けないな、と思ってしまいますよね。

 

確かに、私も給与は最後まで転職を悩んだポイントではあります。

 

ちなみに、スタートアップ企業はボーナスも退職金制度もありません。それを聞くと、結構シビアですよね。4割も給与を下げてまでスタートアップ企業で働くメリットは何か?待遇面だけで言うと、やはりストックオプションです。

 

不確実性が高いスタートアップ企業ですが、将来有望なビジネスであれば、成長が見込めます。順調にいけば、上場やM&AなどのExit戦略をとることができ、ストックオプションが換金性のある株へと変わります。

 

ですので、端的に言うと、目先の給与は下がるけれども、通常、従業員もストックオプションが付与される。企業の将来性によって、ストックオプションの価値は無限大にもなり得る、ということです。

 

2. 給与やボーナス等の金銭面以外の待遇などは?

給与やボーナスだけで言うと、確かに大企業の水準からはだいぶ下がりますが、働き方などについて言うと、スタートアップ企業は大企業よりもだいぶ柔軟性があります。

  • 勤務時間
  • リモートワーク
  • 休暇の取得し易さ
  • フラットな組織形態

 

この4点は特に強調したい点です。

 

まず、勤務時間ですが、私の働いているスタートアップ企業はかなりフレキシブルです。朝はスタート時間は何となく9時半くらいという雰囲気はありますが、10時や10時30分から働き始めても特段問題ありません。一応コアタイムは午前11時から午後3時と定められているものの、朝遅くスタートしたり、用事があって早退したりすることもまったく問題なく出来ます。もちろん自分の仕事をしっかりこなすということが大前提ですが、比較的フレキシブルに労働時間を決められます。大企業で働いていると、始業時間のプレッシャーは結構あるので、ちょっと朝ゆっくりしたい、と思う日にも無理やりやる気を出す必要がありました。もちろんスタートアップ企業やその人のスケジュールにもよりますが、勤務時間について、大企業ほどの強いプレッシャーはありません。

 

次にリモートワークです。コロナで広まったリモートワークですが、コロナ明けには出社が基本の会社も多いのではないかと思います。特に金融業界は、週5で出社が義務付けられている会社も多いと聞きます。リモートワークはワークライフバランスの両立をより可能にし、仕事の効率性やモチベーションアップに繋がると考えています。また、自宅にいることでランチで外食を避けることが出来、より健康的な一日を過ごすことも出来ます。こうしたメリットが多々あるリモートワークを取り入れない企業は、正直従業員の身体的・心理的安全性を優先していない企業と思わざるを得ません。スタートアップ企業の大半はリモートワーク制度を取り入れていますし、私の働くスタートアップ企業も例に漏れず、少なくとも週に2日はリモートワークをすることが可能です。

 

休暇の取得し易さについても同様です。人数が少ないスタートアップ企業ではありますが、自身の仕事をきちんとこなせば、自由にお休みの予定を入れることが出来ます。有給休暇は年に20日あり、体調不良の日にはSick leave(病欠、但し有給とは別に取得可能)を取得することもできます。

 

フラットな組織形態と書きましたが、これは会社のカルチャーや規模にもよるとは思いますが、創業間もないほど、チーム全員で新しいものを作り上げていこうという気風は強く、それぞれの専門性を生かしたチーム作りが可能になります。そうすると、どちらかが上でどちらかが下、という関係ではなく、チーム全体が同志というような関係が強くなります。もちろん、会社の代表や社長がチームを統率する、という形態は変わりませんが、それでも大企業のような上下関係が生まれにくいのがスタートアップ企業であり、働きやすさという点で、心地の良い環境であります。

 

3. スタートアップ企業に就職する際に大事な待遇面の交渉

給与が下がってもストックオプションが付与され、働く環境面でも心地良い点の多いスタートアップですが、誰もがそのような条件で働けるとは限りません。

 

入社前に給与面の交渉はやはり必要ですし、ストックオプションについては誰にでも付与される訳ではないので、ストックオプションを付与してもらえるよう、入社前に交渉する必要があります。

 

企業によってどのような形態のストックオプションを発行しているかは異なるため、その内容についてもきちんと説明を受け、理解をすることが大切です。

 

ストックオプションの内容については会計士や税理士に聞いてみるのが一番ですが、最近では書籍やインターネットでも情報を入手できます。

 

入社してから待遇面での交渉を行うのはより困難を伴うので、やはり入社前に自分が納得できる待遇の水準になるよう、きちんと交渉し、書面に落としましょう。

 

その際に注意したいのは、自分の大企業で働いていた時の給与水準との比較で給与面を交渉するのではなく、スタートアップ企業に入って自分が提供できる付加価値のアピールをすることです。スタートアップ企業では、自分の役職で求められている役割以外の仕事を任されることもしばしばです。マルチに活躍できる人はスタートアップ企業では大変重宝されます。

 

ですので、たとえば自分は会計士で会計のプロであったとしても、「〇〇もできる」「〇〇の分野の開拓もできる」というプラスαを提示できれば、待遇面での考慮もしてもらい易いです。

 

スタートアップで働くことに興味がある方は一度関連の書籍を読んでみることをおすすめします!